スイス・サン・ゴール地方などで作られているプティ・パンです。小さな球形を四つ組み合わせクローバー葉形にします。表面にたっぷり小麦粉をふりかけて、しっかりとした内層とカリカリと軽い味わいの表面が特徴。消化もよいので軽い食事に好適で、レストランで高く評価されています。以下の配合は精製強力粉を使ったもので、全粒小麦粉を混ぜたものもあります。
パン種:水(20℃)500g、精製小麦粉700g、酵母(イースト)20gパート:水(20℃)500g、精製小麦粉700g、塩35g、麦芽(モルト)15g
中種法で、まずパン種を作ります。このパン種法の目的はイースト菌を部分的に強化して増殖させることです。それによってパートの醗酵がより促進され、芳香性物質の生成にも役立ち、風味も増します。短時間醗酵の直捏パートで作るよりずっと香りがよくなります。できればパン種を前夜に準備します。パン種の酵母、イースト量は小麦粉全重量の0.4~0.8%(パートでは0.6~1.2%)とします。
イーストを温度20℃の水120gに溶かして、残りの水に混ぜます。ここに小麦粉を加えてよく混ぜ、そのまま覆いをして室温で醗酵させます。
翌朝、パートを作ります。塩を水に溶かします。この水をパン種に少量ずつ注ぎ入れ、小麦粉を素早く混ぜます。麦芽(モルト)を加えて、よく捏ねて、密度の濃い、弾力性ある、しっかりとしたパートにします。
これをなめらかな球形に整えて小麦粉をまぶしてボウルに入れます。こうすると15分後には醗酵がはじまります。1時間から1時間半のあいだに2~3回、パートを折りたたんで、弾力性をつけます。しばらく休ませて、パートを折りたたむとグルテン形成が促進されます。こうして醗酵を進めます。
なお、パートの温度は24℃とします。これらを手作業で(パートを作る)する時はよく捏ねかえします。つぎは成形で、パートを30gに分割して球形にします。これらを四つ組み合わせて、そのまま最終醗酵させます。温度230~250℃のオーブンで、約20分間を目安に焼きます。小麦粉を生地の表面にふりかけているので蒸気は加えません。
補足
配合中の麦芽は精製小麦粉を利用するときに必要です。
総重量:2470g。これより醗酵時の減量分を差し引き、ひとつ120gのバロンを作るときに、配合量から20個が作れます。
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