タルト・オ・クウェッチ(1)
2023年12月31日をもちまして本サービスは終了の予定になります。またお会いできる機会を楽しみにしております。

Tarte aux Quetsches #1

タルト・オ・クウェッチ(1)

タルト・オ・クウェッチ(1)

クウェッチは西洋スモモの一種で、シロップ煮にしたものをクレム・ダマンドの上に並べてとも焼きにします。

クウェッチ1000g、砂糖200g、クレム・ダマンド適量

クウェッチは生であれば、種をのぞいて砂糖200gとともに柔らかくなるまで15分間ほど煮ます。これを冷まします。パート・ブリゼを以下配合で用意して、直径30センチのフラン型にしき込みます。生地の底部分をフォークの葉先で充分にピケして、カラ焼きにします。クレム・ダマンドを以下配合で用意して、カラ焼きした生地に1/3ほどに詰めます。その上に先のシロップ煮にしたクウェッチを並べ、高温のオーブンで、25分間を目安に焼きます。

パート・シュクレの配合は以下を参照とします。

薄力粉500g、バター250g、砂糖250g、塩3g、ベーキングパウダー20g、全卵2個、バニラ少々

薄力粉とベーキングパウダーをふるい混ぜます。バターと砂糖をすり混ぜます。ここに全卵と塩、バニラを混ぜます。先の粉類に加えて、パート状に整えます。

クレム・ダマンドは以下配合で用意します。

バター100g、砂糖100g、全卵1個、卵黄1個、キルシュ小さじ2杯、アーモンド粉100g、小麦粉15g

バターに砂糖を加えて充分にかき混ぜて、なめらかなクリーム状とします。ここに全卵と卵黄の溶いたものを加えて、さらにかき混ぜます。キルシュを加えてアーモンド粉と小麦粉を加えます。

参考例としてクウェッチのフランを紹介します。

薄力粉150g、砂糖100g、全卵4個、牛乳(または生クリーム)150g、プラムのリキュール適量

全卵をかき立てて、牛乳と砂糖、薄力粉を加えてなめらかなアパレイユにします。カラ焼きした生地にクウェッチをならべて先のアパレイユを注ぎ、220℃のオーブンで、25分間を目安に焼きます。粉砂糖をふって供します。

編集後記

実りの秋、10月。少し涼しさが感じられてきましたね。町の八百屋さん、店先に秋の果物がいろいろと並んで色鮮やか、見ていて楽しいですね。洋ナシを見つけて、つい手が出て買い求め、コンポートにしました。さて、秋の果物というと、どんなものがあるのでしょうか。 1923年版、MRS BEETON’S EVERY-DAY COOKERY 「季節の食材」項を開いてみると、10月の果物(fruit)は「アプリコット(あんず)、ブラックベリー、西洋すもも(bullaces, damsons)、ぶどう(温室栽培)、西洋カリン、メロン、ネクタリン、ピーチ、西洋ナシ、プラム、カボチャ、マルメロ」などと紹介されています。ずいぶん沢山の果物がありますが、面白いのはカボチャ、あれ野菜では?と思うのですが、ここではフルーツに加えられています。これはルバーブと同じですね。では、年間の果物(フルーツ)はどのようなものがあるでしょうか。ここには「リンゴ、バナナ、グレープフルーツ、ブドウ(外国産)、レモン、パイナップル、ドライフルーツ」があります。洋菓子の、代表的果物、イチゴの季節はというと「6月から9月」となっています。このイチゴをはじめ、いくつかの果物がハウス栽培などによって年間を通じての商品として流通してきてます。それにつれて果物で季節を感じる、ということも薄れてきてるようです。なにしろモンブランという栗の菓子も年間商品となっています。MRS BEETON’S EVERY-DAY COOKERY は100年前の料理書。その当時の英国の季節、果物と比べてみると、どのように感じられるでしょうか。 そこで「10月の、おすすめ」です。季節を考えれば、すぐにタルト系統で「カボチャや洋ナシ、ブドウ、アンズのタルト」などが思い浮かびます。フランス銘菓(既刊)には、「タルト・ポワール・ノルマンド / TARTE POIRES NORMANDE(洋ナシのタルト、ノルマンディ風)」、収穫月のタルト(既刊)や週末の楽しむデザートカタログでは「カボチャのタルト Tarte au potiron タルト・オ・ポティロン」が紹介されています。年間の果物として、リンゴがありました。洋菓子では紅玉という品種が適しています。酸味と色合い、質の良さがいいのですが、なかなか見る機会が少なくなりました。このリンゴを使って「ガトゥ・ノルマンド / GATEAU NORMAND」を試みてもいいかもしれません。また、生地の良さと、仕上がりのシンプルさがある、「ルアン風ミルリトン / MIRLITONS DE ROUEN」や「カトル・カール / QUATRE QUARTS」「サブレ・ナンテ / SABLE NANTAIS」も魅力的で、心惹かれる菓子といえます。ロール系では「フレンチ・ジャム・ロールケーキ / Biscuit roulé confiture」も優れた商品といえます。ロール生地の、質の高さと、ジャムを巻いただけ、というシンプルさがいいですね。こんな風にいくつもの商品を眺めていて、あ、やっぱり、10月は、この商品がいいかな、と思ったのが、フランス銘菓(既刊)から「クウェッチのタルト / Tarte aux quetches(タルト・オ・クウェッチ)」です。タルト生地にクレム・ダマンドを絞って、シロップ煮のクウェッチと共焼きにする、とてもシンプルなものです。とくに焼き上りはアーモンド生地とクウェッチが香味豊かに絡み合って、もうこれは絶品で、もう一度食してみたい。写真を見るたびに、おいしさが思い出されます。ぜひ、お試しください。

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