Galette Perougienne

ガレット・ペルジエンヌ
ガレットとは、丸くて、平たいパンケーキ状のものと言われています。パート・フィユテやパート・ルヴェなどで作るものもありますが、このペルジェエンヌ風のガレットは素朴なスタイル、配合も製法もじつに単純な形をしていて、伝統の味わいが感じられます。
薄力粉200g、バター200g、砂糖130g、全卵1個、レモン皮1個、塩少々、コーンスターチ10g、冷水10ml
ボウルにバター125gとレモン皮のすりおろし、塩、砂糖30gを入れて充分に混ぜ合わせます。ここに薄力粉を少量ずつ加えて混ぜます。このパートをひとまとめにして、冷蔵庫で休ませます。手粉をふった台に移して、めん棒で円形に薄く伸します。これをテンパンに移して、残りのバターを小さく千切って散らします。さらに残りの砂糖をふりかけます。温度 230℃のオーブンで、10~20分間を目安に焼きます。オーブンから出したら、砂糖をふりかけて温かいうちに供します。
以下はイーストを利用した配合です。
生イースト14g、温湯100ml、バター200g、全卵1個、レモン皮1個、塩少々、砂糖100g、薄力粉200g
温湯にイーストを加えて溶かします。このまま10分間ほど置いておきます。別のボウルにバター110gと全卵、レモン皮のすりおろし、塩、砂糖20gを入れて、良く混ぜ合わせます。ここに溶かしたイーストを加えて、さらに薄力粉を少量ずつ加えて、なめらかなパート状とします。これをひとまとめにして2時間ほど醗酵させます。後は上記のガレットと同様に成形と仕上げをします。
編集後記
フランス銘菓(1989年小社刊)は,フランス各地の銘菓と呼ばれるものをあつめたもので、試作商品は、フランス各地の農産物などと深いつながりがあります。例えば、ノルマンディ地方のガトゥ・ノルマンは特産リンゴをカルヴァドス風味にして生地に混ぜ焼きます。また、酪農品が豊富で、バター風味のサブレやガレットもあります。アルザス・ロレーヌ地方ではスリーズ・ノワールやクウェッチのクラフティやフラン、ガトゥがあります。このようにフランス各地の銘菓というものは、その地の、特産の酪農品や果実、乾果、洋酒などと深く結びついています。いずれも、味も形もシンプルで素朴。長い歴史に育くまれてきた菓子といえます。これらの銘菓の、その源流に少し遡ってみることで、現代の洋菓子に、新しい流れを創造・発展させることもできるかもしれません。いわば地産地消ですね。当時は、情報も限られていて、取材前の準備段階では、在日フランス人シェフ達に参考となるフランス各地方料理のレシピ本(もちろん仏語、写真も無いような原書)の提供をいただいたり、実際に試作をお願いもしました。その当時参考にした料理書は、今も書棚に並んでいます。ここで紹介するガレット・ペルジェンヌは「THE TASTE OF FRANCE」にも写真入りで掲載されていて、大きなガレットを抱えている婦人の素敵な笑みとともに忘れられない逸品です。参考にした折に、挟み込んだしおりが、今も残っています。懐かしいですね。日常のパン作り。自家製のオレンジピールやレーズンを巻きますが、時には、このガレット・ペルジェンヌも試みます。